退職代行というのは、すべての働く人にとっての「武器」であり、「お守り」のような存在です。
実際に代行業者を使うかどうかは別にして、いざというときに、「〇万円払えば会社とサヨナラできる」ということを知っているだけで、激務やパワハラに苦しんでいるなかでも精神的に楽になれるのではないでしょうか。
現在はまだ、退職代行に対しては批判的な見方が主流です。世間の多くの人は、辞めたくても辞めずに我慢をして働き続けた人ですから、退職代行に対し共感が得られないことがあります。
今、我慢をしていて、いつか「この会社で働き続けてよかった」と思う可能性はもちろん、あります。でも、あくまで可能性の話であって、ほかにも会社は無数にあります。ほかの会社なら、我慢することなく楽しく働けるかもしれません。
貴重な人生の時間を我慢しながら過ごす必要はありません。
大きな選択をするとき、よく「後悔しないほうを選ぶ」と言います。でも、実際はどちらを選んでも多少の後悔はあるでしょうし、どちらを選んでも、幸せになる可能性はあるのです。
だとすれば選ぶべきは、より後悔の度合いが少ないと思われるほうです。
実際に働いてみないと、自分にどんな仕事、どんな職場環境が合っているのかはなかなかわかりません。経験を活かして転職活動をすれば、いい就職先は見つかるものです。より自分に合った仕事や職場を見つけ、よりよい人生を求めていきましょう。
「退職代行を使い出すと、歯止めが利かなくなるんじゃないの?」という指摘もあります。退職代行の利用者のなかには重度のリピーターもいます。アルバイトとはいえ雇う側からすれば厄介な地雷のような存在ですが、見方を変えれば、退職代行の利用は新しい勤務先に基本的にバレないということでもあります。
こういう人は「辞めグセ」がついていると世間から批判されがちですが、本人がどの程度思い悩み、代行を利用しているかは本人にしかわかりません。「仕事を軽んじている」と、ネガティブに捉えられるかもしれませんが、自分のからだと心の健康を大切にしているとも言えます。
人生において優先順位をつけるのは当然のことです。どうしても辞めたい人を無理にそこに残らせても、誰のためにもなりません。精神的、肉体的に追い込まれたりするくらいなら、何度でも退職代行を利用していいでしょう。