退職代行業者と依頼者は「二人三脚」

退職代行業者に依頼するときは、事前に状況や希望を正直に伝えてください。また、困ったことがあったらなんでも言ってください。ノウハウがある代行業者は、普通に暮らしていたら知ることもない知識を持っています。

退職代行業者と依頼者の連絡手段は電話やメール、LINEでのやりとりが主で、実際に会うことなく完結します。

無事に退職に至るまで、依頼者と業者は二人三脚で進めていくものです。逆に言えば、依頼者と業者の足取りが乱れると、退職も手こずってしまうのです。

例えば、代行業者が起業するという退職理由を伝言するように頼まれ、それを上司に伝えたところ、「数日前に親の介護を理由に退職を申し出てきた」と言われた場合、会社側に「大丈夫なのか?この業者」と不信感を抱かせてしまいますし、退職希望者に対しても「何か裏があるんじゃないか」という疑念を生じさせてしまいます。

また、会社に電話をかけたとき、本当に本人からの依頼なのかを確かめるために、「依頼者の生年月日を言ってください」などと試される場合、すぐに答えられないと、「なりすましでは?」と疑われかねません。

会社に電話をかけるときは、依頼者は業者からのLINEに応答できるよう待機してもらえるといいでしょう。

トラブルにつながりやすいのが、業者から会社に連絡をしたあと、すぐに提出すべき退職届を依頼者がなかなか郵送しないというものです。退職の意思表示は、正確には依頼者による退職届が届いた時点なので、そのままでは退職できません。

何日経っても届かないと、その間に会社の担当者は不快な思いを募らせて、激怒することもあります。退職届をすぐに投函しないのは、うっかり忘れてしまった、あるいは怠惰さからのケースが多いのですが、精神的に弱り切っていて、なかなか対応できないということもあります。

こうした場合、業者は依頼者が郵送するのを待つしかありません。

依頼者があまりに不誠実な場合は、代行を中断、もしくは終了します。こうしたサービス中断の条件も免責事項として、あらかじめ利用規約に記載しています。