退職する際の批判や非難への恐れを克服する

ここでは、退職する際の批判や非難への恐れについてお話します。

退職する際の批判や非難への恐れ

退職する際の批判や非難への恐れとは
「辞めるということで人から批判や非難されることを恐れ、辞めるといい出せない心理状態」です。

衝突回避に対する恐れ

似たようなもので、衝突回避に対する恐れというのがあります。

しかしこのふたつは別のものです。

衝突回避に対する恐れは、何かしらの要因があり、他者と衝突する可能性がある場合の心理的壁です。さらにいえば、その衝突を避けるために、「辞める」といい出せないという状態です。

対して、批判や非難への恐れは、衝突を恐れているのではありません。それ以前に、批判や非難されることを恐れているのです。

もっとわかりやすくいえば、
・衝突回避は、いい争いになりそうだから「辞める」といい出せない

・批判や非難への恐れは、怒られそうだから「辞める」といい出せない
気が弱く、相手がどう出てくるのかを考えすぎるタイプの人は、この壁に退職を阻まれることが多いようです。

「ブラック企業」から退職する場合

また、いわゆる「ブラック企業」と呼ばれる会社を辞める場合にも、この批判や非難への恐れを強く感じます。なぜなら、普段から体調不良で休む場合でも罵声が飛ぶ環境。ただでさえそのような状況なのに、「辞めます」などと口にしようものなら・・・・。

・お前のようなものは他で通用するはずがないだろう
・誰のおかげで一人前ヅラできるようになったと思ってるんだ
・会社への恩をアダで返す気なのか
などといわれるのが目に見えている。

ブラック企業の例は、極端かもしれません。しかし、このように上司や仲間にいわれることが目に見えている場合、「辞めます」とはいいづらいものです。これが退職する際の批判や非難への恐れです。

自己評価が低い人と高い人

また、自己評価が低い人は批判や非難への恐れを感じやすいです。自己評価が低い人の傾向として、他者からの評価に依存しすぎているということがあるからです。他者からの評価に依存している場合には、他者の評価を意識しすぎて、自身の意思表示がなかなかできません。

また、他者からの批判や非難に対して、必要以上に警戒する傾向も見られます。

逆に自己評価の高い人は、自分の意見を持っていることが多いため、批判や非難に対していい返すことができます。この場合には、衝突が発生します。自己評価が高く、他者からの意見に対していい返せるが、衝突は避けたい。このような場合に発生するのが、衝突回避です。

自己肯定感を高めるためには

では、退職する際の批判や非難への恐れにはどう対処すればいいでしょうか。

その方法の結論からいえば、「自己肯定感を高める」ことです。
ただし、「自己肯定感を高めると、批判や非難を恐れなくなるの?」恐れなくなる、とは言い切れません。しかし、その恐れを軽減することは可能です。

自己肯定感を高めることは、
・自己価値の確立
・批判への対処能力向上
・他者からの評価に依存の軽減
などの効果があります。

自己価値の確立がされると、他者からの批判や非難に対しても、自分を客観的に評価できるようになります。自己肯定感があるため、批判者や非難を受けても自分自身を否定的に捉えることが少なくなります。

批判への対処能力を向上させるためには、自分自身に自信を持つことが有効です。自信を持っているため、批判や非難に対して冷静に対処する能力が高まり、感情的になることなく、建設的な対応を取ることができます。

また、他者からの評価に依存している状態を軽減し、他からの批判や非難に振り回されることなく、自分自身に自信を持って行動できます。

過去の成功や達成したことを振り返るという方法

では、自己肯定感はどうやって高めるのでしょうか?

おすすめは、自分の過去の成功や達成したことを振り返るという方法です。過去の成功や達成したことを振り返ることで、自分の能力や価値を再確認します。成功した経験を思い出すことで、自己肯定感が向上します。

・希望する学校に行くために頑張って勉強し、見事入試に合格した
・大好きなあの人に思い切って告白し、交際をスタートさせた
・少人数だが、プロジェクトチームをまとめて業務を成し遂げた

思い返せば、必ず成功や達成したことはあるはずです。
・毎朝必ず起きることができる
・遅刻したことがない
・苦手なニンジンを食べられるようになった

そもそも今、あなたが健康で、生きていることこそ、素晴らしい成功と達成の経験なんですね。これまでの人生であなたが成功したこと、達成したことを振り返ることができましたか?

批判や非難を恐れることはありません。あなたは、それだけ価値のある存在なのだからです。

自己理解と自己受容という方法

自己肯定感を高める方法には、この他自己理解と自己受容という方法もあります。自分自身を客観的に理解し、自分の良い面や成長すべき点を受け入れることが重要です。完璧である必要はなく、自分を認めることで自己肯定感が高まります。

そして、「辞める」という選択肢を選んだ自分を認めることです。誰よりも、あなた自身が。

他者からの意見を全く受け付けないというのも考えものです。
しかし、
・批判されるのではないか?
・非難されるのではないか?
とおびえて、自分の意見をいえないことはもっと考えものです。

自己肯定感を高めて、心理的壁を越えていきましょう。