「退職したいが自信がない」という心理的壁を克服する方法

ここでは、「退職したいが自信がない」という心理的壁を克服する方法についてお話します。

退職を阻む心理的壁としての自信のなさとは

さて、退職を阻む心理的壁としての自信のなさとは、どういう状態でしょうか?

・実は辞めた後のことをキチンと決めていない
・会社を辞める手続きの方法を調べていない
・そもそも辞めることが正しいのかを判断しきれていない

これらのような理由で、自信がない場合があります。

また以下のような自信のなさもあるでしょう。

・対人関係に関する自信のなさ
・人と言い争いに発展させないという自信がない
・退職に関する負い目や罪悪感をぬぐえる自信がない
・人からの批判や非難をされた場合に、立ち向かう自信がない

自信のなさを克服するステップ

実は、自信のなさを克服するためには、次のようなステップがあります。

① 自分がこれから「何に」取り組もうとしているのかをキチンと知る
② その「何か」に関わることやその手順を詳細に分解する
③ 分解された要素をひとつずつ確認し、自分がどこに自信のなさや不安を感じているのかを見定める
④ 自信のなさや不安に感じる要素とその原因をキチンと、納得できるまで調べる
⑤ 具体的になった自信のなさの原因や不安の正体に対処する(具体的に、今何をすべきかを設定する)

自信がなくて、「辞める」といい出せない。これでは対処のしようもありません。

① 自分がこれから「何に」取り組もうとしているのかをキチンと知る

まずは、自分がこれから「何に」取り組もうとしているのかをキチンと知ることです。

・会社を辞めようとしている。なぜなら、自分の将来のために、これまでとは違った業務経験が必要だからだ。
・そのためには、その業務経験が得られる会社への転職が必要で、当然入社試験などに合格する必要もある。
・そして、今勤めている会社を退職する必要もある。
・退職するには、上司に「辞めます」と伝えなくてはならない。上司は、部下の話を親身になって聞いてくれる人だが、忙しい時には声を荒げたりもするような人だ。「辞めます」と伝えるタイミングが悪ければ、かけあってもくれないかもしれない。

このように、自分がこれから何をしていくのかを明らかにします。

② その「何か」に関わることやその手順を詳細に分解する

そして、その「何か」に関わることやその手順を詳細に分解することです。

今の会社を辞めるためには、

・「辞めます」と上司に直接伝える
・辞める理由を上司が納得できるように説明する
・退職願を書く
・自分の担当業務の引き継ぎ相手に業務を引き継ぐ

希望の会社に入社するためには、

・自分が望む業務経験が得られる会社をリサーチする
・見つかった会社をさらに詳細にリサーチする
・提示される給与や条件で、今後生活が成り立つのかをシミュレーションする
・入社試験にのぞむ

このように、できる限り物事を詳細に分解します。そうすることで、どこに自分は引っ掛かっているのかを知ることができます。

③ 分解された要素をひとつずつ確認し、自分がどこに自信のなさや不安を感じているのかを見定める

分解された要素を、想像の中でもいいので、自分で実行してみるのがおすすめです。「退職願を書く」など、今の段階でもできるようなことは、実際にやってみるのもいいでしょう。

④ 自信のなさや不安に感じる要素とその原因をキチンと、納得できるまで調べる

辞める理由を上司が納得できるように説明することに自信のなさを感じているのなら

・説明の仕方に自信のなさや不安があるのか?
・自分の選択した将来に共感してもらえる自信がないのか?
・自分の気持ちを人にぶちまけることに不安を感じているのか?

⑤ 具体的になった自信のなさの原因や不安の正体に対処する(具体的に、今何をすべきかを設定する)

説明の仕方に自信がないのなら、あなたが会社を辞める理由を、キチンと上司にも伝わるように整理すべきです。(これは、転職先での面接でも活用できます)

・なぜ今の会社ではダメなのか?
・なぜ今なのか?
・なぜその業務経験が必要なのか?
・なぜそのような将来像を描きはじめたのか?
・なぜ辞めなくてはならないのか?

このように、聞き手である上司が質問したいであろうことを、さらに分解していきます。すると、自信のあるなし、不安を感じるかどうかに関係なく、処理できるサイズになってくるのです。

自信を持って退職を伝える方法

退職を伝えることは、重要なステップです。自己肯定感や自己評価が低いままでは、退職の意思を伝えることに不安や恐れを抱くことがあるかもしれません。また、これらが原因で、心理的壁により退職を阻まれてしまう恐れもあります。

しかし、自信を取り戻すことで、自分の決断に勇気をもって取り組むことができます。自信を持って退職を伝える方法は次のとおりです。

① 自分の意思を確認する
退職の意思を固める前に、自分の気持ちをよく理解しましょう。自分が退職を望む理由や将来の展望を明確にすることで、自信を持って「辞めます」と伝えることができます。

② 自己評価を見直す
退職を伝える前に、自己評価を客観的に見直しましょう。自分の成果や実績を振り返り、自己肯定感を高めることで、退職の決断に自信を持つことができます。

③ 自分の価値を認識する
退職を伝える際には、自分の価値を認識することが重要です。過去の経験やスキルを振り返り、自分の持つ価値を明確にすることで、自信を持って退職の意思を伝えることができます。

④ 肯定的な言葉を使う
退職を伝える際には、自分に対して肯定的な言葉を使うことが大切です。否定的な言葉や謝罪一辺倒な表現ではなく、「新たな挑戦をする」、「成長の機会を求める」といったポジティブな言葉を使いましょう。ポジティブな言葉は、その言葉を使うあなた自身にも自信を持たせてくれます。

⑤ 自信を持って伝える
退職を伝える際には、自信を持って伝えることが重要です。これまでのステップを踏むことで、多少なりともあなたは自信を持つことができているはずです。「自信のあるふり」でも構いません。相手に対して迷いや不安を見せず、自分の決断をしっかりと伝える姿勢が自信を表現する方法です。

また、自信を持って伝えるためには、退職の意思を固める前に、自分の気持ちをしっかりと整理し、決断を自信を持っておこなうことが重要です。その自分の意思をしっかりと伝えることで、周囲の理解を得ることができ、さらに自信を回復させる手伝いとなるでしょう。

自信を持って退職を伝えることで、新たなスタートへの期待と前向きな気持ちを持つことができます。